「親の介護が必要かも…でも、まずどんなサービスがあるの?」
「訪問介護とデイサービス、名前は聞いたことあるけど、違いがよく分からない…」
そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
介護サービスは大切な家族の生活を支えるもの。だからこそ、「うちの親に合っているのはどっち?」と迷うのは当然のことです。
今回は、「訪問介護」と「デイサービス」それぞれの特徴や向いている人の違い、実際の活用方法について、介護現場の経験をもとにやさしく、わかりやすくご紹介します。
訪問介護とは?|自宅で安心のサポートが受けられる
訪問介護は、介護職員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、日常生活のサポートを行うサービスです。
主に「身体介護」と「生活援助」に分かれており、それぞれ内容が異なります。
◎ 身体介護(介助中心)
- 食事介助
- トイレ介助、排泄の見守り
- 入浴や清拭(体を拭くこと)
- 服薬の確認、起床・就寝の介助 など
◎ 生活援助(家事サポート)
- 洗濯、掃除、ゴミ出し
- 買い物代行
- 調理や配膳、片付け など
※生活援助のみの利用には条件があるため、ケアマネジャーとの相談が必要です。
◎ 訪問介護が向いている人
- 外出が難しく、自宅での生活を重視したい
- 家族の介護と併用して必要な部分だけプロに頼みたい
- 一人暮らしまたは日中独居で、見守りが必要な方
訪問介護の良さは、本人の生活リズムに合わせて必要なケアだけを受けられるという点。
たとえば「朝だけ身支度の手伝いをしてほしい」「週に数回、夕食の準備だけ頼みたい」など、柔軟に対応してもらえるのが魅力です。
デイサービスとは?|日中を充実させる「通い」の介護
デイサービス(通所介護)は、要介護者が日中、専門施設に通い、入浴・食事・レクリエーション・機能訓練などを受けられるサービスです。
◎ サービス内容の一例
- 送迎(自宅から施設まで)
- 健康チェック(体温・血圧など)
- 入浴支援(個浴・機械浴など)
- 昼食の提供
- レクリエーション(体操、ゲーム、歌、手芸など)
- リハビリ(作業療法・運動療法)
- 認知症予防活動 など
◎ デイサービスが向いている人
- 一人で自宅にいる時間が長く、孤独を感じやすい
- 運動不足や認知機能の低下が心配
- 介護をしている家族に「休息時間」が必要な場合
- 他の人との交流や刺激を求めている方
デイサービスの魅力はなんといっても、**「人とのふれあい」「日中の居場所」「体と心の活性化」**です。
家にこもりがちな高齢者にとって、外出して誰かと過ごす時間はとても大切な刺激になります。
訪問介護とデイサービス、どっちが合ってる? 判断のための5つのチェックポイント
1. 本人の体力・移動能力
- 足腰が弱く、外出に不安がある → 訪問介護が安心
- 車椅子でも移動可能、送迎を利用できる → デイサービスも選択肢に
2. 家族の介護状況
- 家族が日中も介護している → 訪問介護で補う
- 家族が仕事で日中は不在 → デイサービスで日中を安全に過ごしてもらう
3. 本人の性格や好み
- 家でゆっくり過ごすのが好き → 訪問介護が合いやすい
- 人と話すのが好き、外出が苦ではない → デイサービスがおすすめ
4. 認知症や閉じこもりの傾向
- 家に閉じこもりがちで心配 → デイサービスで人と交流を
- 落ち着いた環境でケアしたい → 訪問介護が安心
5. 利用目的(身体のケア・交流・リハビリ)
- 入浴・食事のサポートを自宅で受けたい → 訪問介護
- リハビリや集団活動で身体機能を維持したい → デイサービス
実は「併用」も可能! 組み合わせて使うことでさらに安心
訪問介護とデイサービスは、どちらか一方しか選べないわけではありません。
介護度や必要な支援の内容によっては、両方を組み合わせて利用することができます。
【一例】週のスケジュール例(要介護2の場合)
- 月・水・金 → デイサービスで入浴・昼食・リハビリ
- 火・木 → 訪問介護で掃除と買い物代行
このように「日中は外出して、他の日は家で支援を受ける」といった組み合わせは、介護する家族にとっても本人にとっても負担が軽くなります。
ケアマネジャーと相談しながら、その人にとって一番心地よい介護の形を一緒に作っていくことが大切です。
まとめ|「どっちが合うか」より「どう組み合わせるか」
訪問介護とデイサービスにはそれぞれ良さがあり、どちらが正解というよりも、その人の状況によって最適な使い方が違います。
- 訪問介護は、「日常の介助や家事を家で支援してほしい人」に向いています
- デイサービスは、「日中に安心して過ごせる場所や刺激がほしい人」におすすめです
迷ったときは、まず地域包括支援センターやケアマネジャーに相談してみてください。
プロの視点で、その方に合ったサービスの使い方を一緒に考えてくれます。
介護は「家族だけで頑張る」時代から、「地域や専門職と一緒に支える」時代へと変わっています。
まずは一歩踏み出して、あなたの大切な人に合った支援を選んでみてくださいね。
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