最近、「親の物忘れが増えた」「一人での生活が心配になってきた」と感じることはありませんか?
介護が必要かもしれないと思っても、「何から始めればいいのかわからない」と戸惑う方がほとんどです。
この記事では、介護現場で15年間働いてきた経験から、「介護のはじまりにまずやるべきこと」をわかりやすくお伝えします。
「なんとなく不安」こそ大事なサイン
介護が本格的に始まる前には、いくつかの“サイン”があります。
- 食事を抜くことが増えた
- 同じ話を何度も繰り返す
- 病院や買い物など外出の回数が減った
- 身だしなみに気を使わなくなった
- 転倒の痕やアザを見つけた
こうした変化に「なんとなく気になる」と感じたら、それは介護の入り口に立っているサインです。
放っておかず、早めに行動することがその後の介護生活を大きく変えるポイントになります。
まずは「地域包括支援センター」に相談を
最初にすべきことは、「地域包括支援センター」へ相談することです。
地域包括支援センターとは、介護・福祉・医療の相談窓口で、市区町村ごとに設置されています。高齢者の困りごと全般に対応してくれる場所です。
相談は無料。予約なしでも対応してくれるところが多く、「まだ介護認定は受けていないけど…」という段階でも問題ありません。
ここでの相談をきっかけに、必要に応じて「要介護認定」の申請や、ケアマネジャーとの連携が始まっていきます。
要介護認定の申請を検討する
「もしかして介護が必要かも」と思ったら、要介護認定の申請を検討しましょう。
申請は本人か家族、市町村の窓口、またはケアマネジャーを通じて行うことができます。
この認定により、介護保険サービスが使えるようになります。
申請から結果が出るまでは通常1ヶ月ほどかかりますが、その間も不安なことは地域包括支援センターや医療機関に相談できます。
介護保険サービスを使うとどう変わる?
要介護認定を受けると、本人の状態に応じて介護保険が適用されるようになります。利用できるサービスには以下のようなものがあります。
- 訪問介護(ヘルパーさんによる支援)
- デイサービス(通所での介護・機能訓練)
- 福祉用具のレンタル(歩行器・手すりなど)
- ショートステイ(一時的な施設利用)
- 住宅改修(手すりや段差解消などの工事費補助)
これらのサービスを組み合わせて、在宅でもできる限り自立した生活を続けられるように支援してくれます。
家族だけで抱え込まないことが大切
介護が始まると、多くのご家族が「自分たちだけでなんとかしないと」と思いがちです。
でも、介護は長期戦。プロの力を借りながら進めることが、本人にとっても家族にとってもベストな選択です。
「相談しただけで心が軽くなった」「サービスを使って親との関係がよくなった」という声は本当によく聞きます。困ったときは、どうか遠慮せずに相談してください。
まとめ:最初の一歩を踏み出そう
介護が必要かもしれない…と感じたら、まずは以下のステップを意識してみてください。
- 変化に気づいたら、できるだけ記録する(例:物忘れの頻度、食事状況)
- 地域包括支援センターに相談する
- 必要に応じて要介護認定の申請をする
- ケアマネジャーや介護サービスの専門家と連携を取る
「こんなことで相談していいのかな?」と思うような小さなことこそ、早めに動くことでスムーズな介護のスタートにつながります。
私自身、相談員として多くのご家族と出会ってきました。
皆さん最初は不安でいっぱいですが、「最初の一歩を踏み出した瞬間から、安心につながる道が開けていく」のを何度も見てきました。
この記事が、あなたのその一歩の後押しになれば幸いです。
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