「ケアマネジャーってよく聞くけど、結局何をしてくれる人なの?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。
介護保険制度の中で重要な役割を果たしているケアマネジャーですが、実際にどんなことをしてくれるのか、いまいちピンとこない方も多いと思います。
この記事では、現場で15年間介護職として働いてきた私の視点から、「ケアマネジャーとはどんな存在か?」「具体的にどんなことをしてくれるのか?」をわかりやすくご紹介します。
ケアマネジャーとは?
ケアマネジャーは正式には「介護支援専門員」といいます。
介護が必要になった方が、適切な介護サービスを受けられるように支援する専門職です。
簡単にいうと、「介護の相談役」かつ「サービス調整の司令塔」です。
要介護者やその家族の希望を聞き取りながら、その人の状態や生活環境に合った介護サービスの計画(ケアプラン)を作成し、サービス事業所との調整をしてくれます。
ケアマネジャーがしてくれる主な仕事5つ
① 介護に関する相談窓口になる
「親の物忘れが進んでいるけど、どうしたらいいの?」
「施設に入れるべきか、家で介護を続けるべきか…」
そんな悩みを、最初に相談できるのがケアマネジャーです。
病院のソーシャルワーカーや市町村の窓口を経て、最終的にケアマネと出会う方も多いですが、「困ったらまずケアマネに聞く」という感覚でOKです。
② 介護保険の申請や手続きをサポート
介護サービスを利用するには、介護保険の申請が必要です。
初めてだと書類の多さに驚く方も多いのですが、ケアマネジャーは申請手続きや、必要な情報の整理などをサポートしてくれます。
市町村への連絡や書類作成も一部代行してくれることが多く、「役所の手続きが苦手」というご家族にとってはとても心強い存在です。
③ ケアプランの作成
ケアマネの一番大きな仕事は「ケアプラン」の作成です。
ケアプランとは、どのサービスを、どれくらい、どう使うかをまとめた“介護の設計図”のようなもの。
本人の体の状態、住まいの環境、家族の状況などをふまえて「訪問介護を週に2回」「デイサービスを週に1回」など、最適なプランを組み立ててくれます。
④ 介護サービス事業所との連絡・調整
訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタルなど、複数のサービスが関わると、連絡や調整が大変になります。
そんな時に間に入って動いてくれるのがケアマネです。
例えば、「ヘルパーさんの時間を変えたい」「デイサービスの曜日を変えたい」といった要望があれば、ケアマネに相談することで関係事業所と調整してくれます。
⑤ 定期的なモニタリング・状態把握
ケアマネジャーは、一度ケアプランを作ったら終わりではありません。
月に1回以上、本人やご家族と会って、サービスがきちんと使えているか、本人の状態に変化がないかを確認します(これをモニタリングといいます)。
状況に変化があれば、ケアプランの内容を変更したり、必要なサービスを追加したりして対応してくれます。
ケアマネジャーは「味方」です
私が介護現場で働いていて感じるのは、ケアマネジャーは利用者さんと家族の強い味方だということです。
初めての介護は、誰でも不安になります。
そんなときに「こんなサービスがありますよ」「困ったときはこうしましょう」と親身に寄り添ってくれる存在がいるだけで、大きな安心感につながります。
特に「何から始めたらいいか分からない」という方は、まずは地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に連絡し、ケアマネジャーにつないでもらいましょう。
まとめ
ケアマネジャーは、介護が必要になった方とそのご家族をサポートする“介護のコーディネーター”です。
- 相談に乗ってくれる
- 手続きを手伝ってくれる
- 介護プランを考えてくれる
- 各サービスとの橋渡しをしてくれる
- 定期的に見守ってくれる
そんな頼れる存在です。
介護は、決して一人で抱え込むものではありません。
まずは「相談すること」から始めてみませんか?
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